ノスタルジック・花火

コラム

蒸し風呂に入っているかのような、
そこにいるだけで体力が奪われてしまう真夏。
長野といえば、避暑地として名を馳せていますよね。
とはいえ、そんな長野にも猛暑の魔の手は伸びているわけです。
それでもヒトは涼やかな場所を求めてしまうのですーー

なーんてね。
そんなのは後付けで、避暑地として訪れたのではなく
ただ「諏訪に行ってみたい」という思いで旅行を決めました。
ですが涼しげな場所は沢山あって、

諏訪LOVE

そんな熱い思いが暑い夏に募ってしまったのでした。

下諏訪 本陣 岩波家
和宮様や明治天皇、大名達が潜ったという立派な門の先には美しく整えられた庭。 玄関を入ってすぐのところに、関札がずらりと並んでいます。 宿泊する際に大名が二つ持参し、本陣の門前と宿場の入り口に掲げるのだそうな。 一泊が主なのだそうですが、稀に連泊する方もいらしたとか。

長野旅の他の記事もよかったら併せて読んでみて下さいね。
おかしいですね、私は上杉謙信が大好きなのに
全然謙信公について記事を書いていない(書けよw)

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子供時代と花火

多分、どこかの花火大会にも連れていってもらった筈なんです。
だのに、ポンコツな私の頭はそれを記憶してくれない……。
子供の頃好きだった花火。
それは、スーパーで買った花火セット。
今ほど世間様がうるさくなかった時代です。
母と弟と、家の近所でこっそり花火をしました。
その近くには小さなお菓子屋さんへ続く秘密の小径こみちがありました。
ついこの間見たその小径は、子供の頃に見たおどろおどろしさなんてなく、
印象はガラッと変わっていたのです。
その小径から入れるお家に住んでいた女の子とよく遊んでいたのだけれど、
母に聞いたら、そんな家なんてなかったとのこと。


わたしはんでいたのでしょうか。


おっと。
すぐに脱線してしまうのは悪い癖ですね。
その小径のすぐそばに母子三人で暗くなってきた夏の夜に向かうわけです。
水の入ったバケツと花火とチャッカマン。
小さなライターでもいいんですが、ビビリなのでチャッカマンがいいのです。
近頃はチャッカマン型の小さいブツがコンビニで売っているんですよ。
山には必ず持っていくのです。
ストーブに着火するのにはこれが一番いい。
びびりに優しいのです。
そんなびびりの私もチャッカマンで花火に火をつけます。
それほど広い場所ではないので、ロケット花火やねずみ花火ではなく
手持ち花火が主です。
近所のお友達家族が羨ましそうにこちらを見ていると
優越感で満たされてしまう。
決まって最後は線香花火を各々手に持って、
『誰が一番長く花を咲かせていられるか勝負』
をするのです。
それが大好きで大好きで。
私にとって家族との花火大会は線香花火の勝負なのです。

大人になった今でも、時々、線香花火をしたくなる。
一人ぼっちでやってもいいかな。
でもやっぱりやりたいのは、誰かと一緒に勝負すること。
勝っても負けても楽しかった記憶が
今なお私の花火への憧れを促進しているように思います。

高校時代の花火大会

高校時代、演劇部に入っていました。
同期の子と、一度だけ天神祭に花火を見に行ったことがあります。
覚えているのはとにかく人がごった返していて、疲れたということ。
まだまだ青春真っ只中。
「人がゴミのようだ」くらいの感想しかない若人でした。
花火が始まろうというのに、花火が見える場所に辿り着けていませんでした。
結局その日、私たちは花火のかけらすら見ることができなかったのです。
ーー計画性がない。
残念な思い出、なのかと言えば、そういうわけでも無いんです。
滅多に着ることのない浴衣を着て

「花火どこ〜?」
「音しか聞こえへんし!」

などと言いながら、慌てるわけでもなく買い食いする女子高生三人組。
花火の音が遠くで聞こえる。
浴衣で友達と歩く。
あの頃はそれだけでただただ楽しかったのです。
何が起きても楽しむこと。
これって大切なことだなと、思い出しながら

昔の私できる子やん。

と自画自賛しています。

諏訪の花火大会

美味しいご飯と温泉。
その後にふらふらと打ち上がる花火を眺めながら諏訪湖畔を歩く。
大人になっても、花火って楽しめちゃうんですね。
コンビニで調達したお酒を片手にベンチに陣取り
くだらない話で盛り上がる。
大人の贅沢です。
大々的に行われる花火大会ではなく、毎日10分程度打ち上げているのだそうで
人の数もそれほど多くはないのです。
湖の傍まで歩く。
真っ暗な湖は手招いているようで、ちょっぴり恐ろしくて。
その深淵に少しだけ触れると、私の記憶の深淵が顔を出すのです。
花火を見れなかった高校生時代のことや
家族で細々とチャッカマンで着火した花火大会が
ふっと目の前を駆けて、湖のずっと向こうへ消えていく。
思い出に浸るわけでもなく、真っ暗なそれを見ていると
心の波なんてものは凪いでしまいます。

「ああ、きてよかった」

そう思える旅はきっといい旅なんだ。

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